2009年08月09日

三国志21巻。愚者の言葉にも一寸の理有り。



名作、横山光輝三国志。
そのなかでも、この21巻「孔明を訪ねて」の回における
崔州平と劉備のやりとりはぜひ読んでいただきたい。


調べたらebookでも買えるみたいなんで、早速買いました。
http://www.ebookjapan.jp/ebj/

三顧の礼(ウィキペディア、諸葛亮の記事中から)


この巻は有名な三顧の礼が描かれます。
その三顧の礼の途中で、劉備は諸葛亮の友人の
崔州平(さいしゅうへい)と出会います。

話をするうちに、劉備に請われて
崔州平は天下についての意見を述べ始めます。

理想を抱いて
天下万民を安んじたいという劉備に対し、

動乱が起こるのは自然の流れなのだから、
諦めるより仕方がない。
孔明がどれだけ天才であったとて、
短い一生の内にどれだけのことが出来るというんだ

という諦観を示すわけです。

劉備は
「歴史的に見るとそうかもしれませぬ
だからといって黙って見てるわけにはいきませぬ
人々をどうやってその災害(災厄)から救うか
それが自分の使命だと信じております」
「万民が戦火の中を逃げまどうのを
宿命だから、といって(黙って)見ている訳にはいきません」
と反論するのですが、

崔州平はその言葉を
「それは理想でしょう」「それは英雄だけが持つ悩みでしょうな」の
一言であっさり切り捨ててしまいます。


その後崔州平と分かれた後、
関羽(劉備の義兄弟、供としてついてきていた)に
崔州平の言葉への評を問われてこう述べます。


関羽「今の学者の言葉、殿は真実だと思いますか」

劉備「いや。
彼の云うところは彼らの中の真理であって
万民の真理ではない。
だがこの地を占めるものは億兆の万民である。
一部の人間が弄ぶ真理なら
どんな理想でも唱えていられる」

関羽「それほど治乱の理を承知で
なんでながながと崔州平の言葉を聞いていたのです?」

劉備「もしや一言半句でも
世を救い万民の苦悩に通じる言葉があろうかと
聞いておった。」

関羽「だがありませんでしたな」

劉備「そうだ 残念ながら無かった
それを聞かせてくれる人を私は求めている。
私がまだ見ぬ孔明に求めてやまないのも
その声、その真理なんだ」



私はこのエピソードを要約して、
「愚者の言葉にも一寸の理有り」
とすることにしました。
この劉備の、すべての出来事から何かを学び取ろう(人の話を聞こう)
という姿勢
こそ、一番大事な事だと思っています。


故に、食わず嫌いこそ最大の害悪とも言えます。
どのような事柄にも必ず原因と結果がある。
レッテル貼りで思考停止するのではなく、
事実を己の目でみて、己の感性で物事を知るべき
なのです。

「一部の人間が弄ぶ真理ならどんな理想でも唱えていられる」
という下りは私も反省しなければならないところですが
今後文章のクオリティを上げることで反省を生かしたいと考えます。


志とアンテナは高く、頭は低くで居たいものです。


「実るほど 頭を垂れる 稲穂かな」
(みのるほど こうべをたれる いなほかな)
詠み人知らず。

同じカテゴリー(おすすめ書籍紹介)の記事
 浄土真宗必携 改訂―浄土真宗本願寺派 (単行本) (2009-10-01 11:48)
 野村克也『弱者の兵法』斜め読み要約 (2009-09-02 08:46)
 大きな声を出すため+αの、ライフハック本4冊。鴻上尚史 氏編 (2009-07-28 07:00)
 ある意味でエヴァみたいな名作「ウェブはバカと暇人のもの」 (2009-07-15 10:14)
 子供が言うことを聞かなくなるのは何故か? (2009-06-23 10:27)
 中谷彰宏曰く「タメ語は幼児語である」 (2009-06-03 09:00)

Posted by かた焼きそば  at 21:02 │Comments(0)おすすめ書籍紹介

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。